スマホ首と歯並びの意外な関係

近年、スマートフォンの使用によって「スマホ首」と呼ばれる、いわゆるストレートネックに悩む人が増えています。子どもたちの間でもスマートフォンやタブレットの使用時間が増え、「スマホ首(ストレートネック)」が低年齢化していることが問題になっています。

スマホ首は肩こりや頭痛などの原因として知られていますが、実は歯並びや噛み合わせ、さらにはインプラントの安定性にも大きく関わっていることをご存じでしょうか。

今回は、スマホ首による姿勢の乱れが顎や口腔のバランスにどう影響するのかを詳しく説明します。

スマホ首とは?

スマホ首とは、スマートフォンやパソコンを長時間使用することで、頭が前方に突き出た姿勢が慢性化した状態を指します。医学的には「ストレートネック(頸椎の前弯消失)」と呼ばれ、首の自然なカーブが失われてしまった状態です。「スマホ首」かどうかを確かめるには、壁に背中をつけた状態で、かかと・お尻・肩甲骨・後頭部が自然に壁につくか試す方法が最も手軽です。後頭部が壁につかない、あるいは無理に付けないとつかない場合は、「スマホ首」の可能性があります。

現代人に増える「頭の前傾姿勢」

本来、首の骨(頸椎)はゆるやかなカーブを描いて頭の重さを支えていますが、うつむき姿勢が続くとこのカーブがまっすぐな状態であるストレートネックになってしまいます。スマートフォンを見るとき、頭は平均して約5kg〜6kgもの重さを支えています。角度がつけばその負担は2〜3倍になってしまい、筋肉や骨格に大きな負担がかかります。

頭の位置が変わると噛み合わせがずれる

人間の下あご(下顎骨)は、筋肉と関節によって頭蓋骨にぶら下がるように支えられています。そのため、姿勢が変わると顎の位置も自動的に変化します。正しい姿勢では下顎は自然な位置でバランスを保つことができますが、スマホ首によって頭の位置が前に出ることで下顎が後退し、噛み合わせがずれやすくなります。噛み合わせが悪いと、歯に余計な圧力がかかり、徐々に歯が動いて歯並びが悪化する原因になります。

子どもの歯並び・顎の発達にも影響を及ぼす

成長期の子どもの首と骨格はまだ発達途中です。スマホやゲームによるうつむき姿勢(前傾姿勢)が続くと舌が自然に喉の方へ落ち込みます。舌が本来の位置(上顎に触れている状態)にないと常に歯に圧力がかかり、出っ歯(上顎前突)、受け口、歯列が狭くなるなど歯並びに影響を及ぼします。子どもの骨や筋肉は大人よりも柔らかく、長時間の姿勢のクセがそのまま骨格の形そのものに影響してしまうため特に注意が必要です。

インプラントが長持ちするかどうかにも関与する

インプラント治療では、人工歯根(インプラント体)を顎の骨に埋め込みます。このとき、正しい咬み合わせと力のバランスが維持されていることがとても重要です。スマホ首によって顎の位置がずれると

  • インプラントに過剰な負担がかかる
  • 周囲の骨が吸収しやすくなる
  • 噛み合わせが再び変化してしまう

このような問題を引き起こす可能性があります。せっかく治療したインプラントを長持ちさせるためにも、姿勢管理は見過ごせないポイントです。

スマホ首を放置するとどうなる?全身への悪影響も

スマホ首は単なる首や肩の不調にとどまりません。慢性的に続くと、次のようなトラブルも招くおそれがあります。

  • 顎関節症(口が開けにくい・痛い・音がする)
  • 頭痛や耳鳴り、めまい
  • 噛み合わせのズレによる歯のすり減り
  • 差し歯の破損リスク増加
  • 呼吸の浅さや睡眠の質の低下

つまり、「姿勢の乱れ=全身のバランスの乱れ」なのです。見た目だけでなく、健康寿命にも影響する要素といえます。

歯科医院で咬合・姿勢・筋肉のトータルチェックを

スマホ首は、単なる首や肩の不調にとどまらず、噛み合わせ・歯並び・インプラントの安定性にも影響します。歯科医院では、下記のような多面的なアプローチが可能です。

  • 咬合・姿勢のチェック
  • 顎関節の位置調整
  • マウスピースによる筋肉バランスの安定
  • 舌・呼吸のトレーニング指導

「顎のズレ」「噛みにくさ」「歯並び」などが気になる場合は、歯科医院へ一度相談してみましょう。スマホ首を整えることは、結果的に歯と体の健康を長く守る第一歩になります。

スマホ首から歯並びを守るための5つのポイント

スマホ首から歯並びの乱れを引き起こさないために、以下のポイントを日常で意識してみましょう。

  1. スマホは“目線の高さ”で使う
    下を向く角度を減らすことで、首への負担を軽減します。
  2. 背筋を伸ばし、“あごを軽く引く”姿勢を意識する
    頭の重心が前に出ると、顎が後方へ引かれ、下あごの動きが制限されます。日常的に「耳・肩・骨盤が一直線」になる姿勢を心がけましょう。
  3. 舌の位置を「上あご」に保つ習慣をつける
    正しい舌の位置(舌位)は、歯並びの安定を支える“天然の矯正力”です。
  4. 食事中は“よく噛む・左右で噛む”を意識する
    スマホ首による顎のズレや筋肉の緊張が続くと、片側ばかりで噛むクセ(片噛み)が生まれやすくなります。
  5. 就寝環境を整える(枕の高さ・寝姿勢)
    高すぎる枕やうつ伏せ寝は、首を前傾させ顎を後退させるため、スマホ首を悪化させる原因になります。

まとめ:正しい「姿勢」が未来の歯を守る

スマホ首は、現代人にとって避けられない問題のひとつです。しかし、日々の姿勢を少し意識するだけで、歯並びや噛み合わせを守ることができます。姿勢を整えることは、見た目の美しさだけでなく、歯並び・噛み合わせ・インプラントの長期安定まで支える“口の健康習慣”です。

今日から姿勢を見直して、綺麗な姿勢と歯並びで大切な歯を守っていきましょう。

ご相談はサイトウ歯科おとなこども院へ

藤井寺の歯医者サイトウ歯科

スマホを使う時間が長い今だからこそ、「首」と「歯」の関係を見直してみましょう。それが、綺麗な歯並びを保つ第一歩です。

当院では専門のスタッフが一人一人に合わせたケアを提供し、皆様の口内健康をサポートいたします。お口のことで気になることがあれば、サイトウ歯科 おとなこども院にいつでもお気軽にご相談ください。


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