
「乳歯はいずれ抜けるから、虫歯になっても問題ないのでは?」そんなふうに考えていませんか? 実はこの考え方は、とても危険です。
乳歯の虫歯を放置すると、将来生えてくる永久歯の健康や歯並びにまで悪影響を及ぼす可能性があります。本記事では、乳歯の虫歯がもたらすリスクと、その予防方法について、わかりやすく解説します。
乳歯は「生え変わるから大丈夫」ではない

乳歯はただの“仮の歯”ではなく、食べ物を噛む・発音を助ける・顎の成長を促す・永久歯が正しい位置に生えるためのスペースを確保するといった多くの大切な役割を持っています。虫歯などで早く失われると、これらの機能が損なわれるだけでなく、永久歯にも悪影響が及ぶ可能性があります。
乳歯は虫歯になりやすく進行も早い

乳歯は永久歯に比べてエナメル質が薄く柔らかいため、虫歯もとても早く進行してしまいます。さらに、乳歯の虫歯は黒っぽい色ではなく、白い色をしていることも多く虫歯になっていることに気が付きにくく、知らずの間に進行してしまい、気が付いた時には神経まで達してしまったということも少なくありません。
乳歯の虫歯が永久歯に与える4つのリスク

1. 永久歯の質の低下

乳歯のすぐ下には、これから生えてくる永久歯の「芽」が存在しています。乳歯が虫歯になり、進行すると、その感染が永久歯の芽にまで影響を及ぼし、エナメル質形成不全などの異常が起こることがありますエナメル質形成不全になると、歯が変色したり、欠けやすくなったり、虫歯になりやすくなったりします。
2. 永久歯の位置異常や歯並びの乱れ

乳歯には、永久歯が正しい位置に生えてくるための「スペースキーパー」としての役割があります。乳歯が虫歯で早く抜けてしまうと、まわりの歯が移動してしまい、永久歯が斜めに生えたり、ガタガタな歯並びになったりする可能性が高まります。
3. 噛み合わせや発音への影響

乳歯の虫歯でしっかり噛めない状態が続くと、噛み合わせのバランスが崩れ、顎の発達に悪影響を及ぼすこともあります。また、前歯が虫歯で欠けたり抜けたりすると、発音が不明瞭になってしまうケースも見られます。
4. 大人になってからも虫歯になりやすい

幼いころに虫歯が多い子どもは、将来的にも虫歯になりやすい傾向があります。甘いものの過剰摂取や正しい歯みがき習慣が身についていない場合、大人になってからも歯の健康に悪影響を及ぼし続けることになります。
乳歯の虫歯を防ぐためにできる5つの予防法
1. 正しい仕上げ磨き

乳幼児のうちは、自分できちんと歯を磨くのは難しいため、保護者による仕上げ磨きがとても大切です。特に寝る前の磨き残しは虫歯の大きな原因となるため、毎晩丁寧に磨いてあげましょう。
2. 食習慣の見直し

間食の回数が多かったり、甘いお菓子やジュースが習慣になっていたりすると、虫歯リスクは高まります。おやつの時間を決める・だらだら食べない・水やお茶を中心にするといった工夫が効果的です。
3. フッ素塗布やシーラントの活用

歯科医院でのフッ素塗布や、奥歯の溝をふさぐシーラント処置(奥歯の溝をプラスチックで埋めて、食べ物や歯垢が溜まるのを防ぎ、虫歯を予防すること)は、虫歯予防にとても効果的です。定期的に受診し、お子さんの歯の状態に応じた処置を行ってもらいましょう。
4. 定期的な歯科検診

虫歯は、痛みが出るころにはかなり進行していることが多いです。3ヶ月〜半年に1回の定期検診で早期発見・早期治療につなげることが大切です。
5. 家庭での声かけと習慣づけ

毎日の歯みがきが楽しくなるように、キャラクター付きの歯ブラシを使ったり、親子で一緒に磨く時間を設けたりと、習慣化への工夫も効果的です。
まとめ:乳歯の健康が将来の歯に影響を及ぼす

乳歯はたしかに一時的な歯ですが、お子さまの成長や将来の歯の健康にとってとても重要な役割を担っています。乳歯は虫歯を放っておくことで、永久歯の健康・歯並び・発音・咀嚼・見た目にまで大きな影響を与える可能性があります。
大切なお子さまが将来、自信をもって笑えるように今のうちからしっかり予防に取り組んでいきましょう。
ご相談はサイトウ歯科 おとなこども院まで

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