
「うちの子の歯、なんだか黄色っぽいけど大丈夫かな?」そんな不安を感じたことはありませんか?
大人に比べて子どもの歯は、本来白く見えるイメージがありますが、実は黄ばみが気になるという保護者の方も多くいらっしゃいます。今回は、子どもの歯の黄ばみの原因と日常でできる予防法や対策について解説します。
そもそも歯の色は「真っ白」ではない

歯の色は、厳密には真っ白ではなくうっすらと黄ばんでいるのが普通です。そして、肌の色や髪の色と同じように、歯の色も遺伝的な要素が関係しており、個人差があります。エナメル質の厚みや象牙質の色の濃さによって、他の方より黄みが強い方もいます。しかし、エナメル質に汚れがついたり、着色汚れがある場合にも歯が黄ばんで見えることがあります。そのような場合には歯科医院でのクリーニングで除去することができます。
子どもの歯が黄ばむ主な原因とは?

◆乳歯に比べて永久歯は少し黄ばんで見える

乳歯は白っぽく透明感があるのに対して、永久歯は完全に真っ白ではなく、通常は黄色っぽく見えます。永久歯は、乳歯よりも象牙質が厚くなっており、永久歯の象牙質(内側の層)が透けて見えやすいためです。つまり、「黄ばみ」のように感じても、実は自然な変化であることも多いのです。特に生え変わったばかりの永久歯(幼若永久歯)の場合は、歯質が不安定なため、歯が黄色く見えやすいといわれています。
◆歯みがき不足による着色汚れ(ステイン)

子どもはまだ歯みがきが上手にできないため、磨き残しが多くなりがちです。その結果、食べ物の色素やプラーク(歯垢)が付着して黄ばむことがあります。下記のものを摂取した後にうがいや歯みがきをせずに放置すると、黄ばみが目立ちやすくなってしまいます。
- チョコレート
- カレー
- ココア
- ケチャップ
- 色付きのジュースやスポーツドリンク・・・など
◆歯の構造異常やエナメル質形成不全

まれに、遺伝的な要因、妊娠中の栄養不良や感染症、幼少期の高熱や病気などで歯の表面(エナメル質)の形成が不十分であることにより、歯が白く濁ったり、黄色っぽく見えたりすることがあります。これを「エナメル質形成不全」と呼びます。このような場合は、歯科医院での早期対応が必要です。歯の強度が弱く、虫歯になりやすいというリスクもあるため注意しましょう。
◆薬剤やフッ素の影響による内因性の変色

過去に抗生物質(特にテトラサイクリン系)を長期間服用していた場合、永久歯の形成時に色素が沈着し、黄ばみとして現れることがあります。また、過度のフッ素摂取(いわゆる「フッ素症」)も、歯の変色の一因になる可能性があります。ただし、近年ではこうしたケースは非常にまれです。
◆むし歯や初期のトラブルによる黄ばみ

むし歯が進行している場合、歯の表面が白く濁るだけでなく、黄色や茶色に変色することがあります。特に奥歯の溝や歯と歯の間など、見えにくい場所に黄ばみがある場合は、むし歯の初期症状である可能性もあります。気になる部分がある場合は、早めに歯科医院で診てもらいましょう。
歯の黄ばみを防ぐためにできること

1. 仕上げ磨きを丁寧に行う
お子さまが自分で磨くだけでは、どうしても磨き残しが出てしまいます。特に就寝前は保護者による仕上げ磨きを行い、プラーク(歯垢)をしっかり取り除いてあげましょう。特に、奥歯の噛み合わせ面・歯と歯の間・前歯の裏側などは磨き残しが多い部分なので気をつけましょう。
2. 色素の強い食品はタイミングと量に注意
カレーやチョコレート、濃い色のジュースなどは、毎日のように摂取しないよう工夫しましょう。摂ったあとは、できるだけ早くうがいや歯みがきをする習慣をつけると安心です。
3. 定期的な歯科健診で専門的なチェックを
歯科医院では、黄ばみの原因が外因性か内因性かを判断したうえで、必要に応じて歯のクリーニングを行なったり、適切なアドバイスや治療を受けることができます。お口の状態にもよりますが、3~4ヶ月に1回程度のペースでの定期健診をおすすめします。
黄ばみの正体を知って適切なケアをしよう

子どもの歯の黄ばみは、必ずしも病気や異常のサインとは限りません。永久歯の色や食生活、歯みがきの状態など、さまざまな要因が重なって見た目に影響を与えているのです。
大切なのは、「どうして黄ばみが起きるのか」を知ったうえで、正しくケアしていくことです。そして、気になる点があれば無理に自己判断せず、歯科医院に相談することが安心につながります。
まとめ:子どもの歯を守る第一歩は、日々の観察から

歯の色が「白い=健康」「黄色い=異常」とは限りません。
歯の色は個人差が大きく、見た目だけで健康状態を判断することは難しいため、気になる場合は歯科医院で確認するのがおすすめです。原因がわかることで、早期の適切なケアを行うことが可能です。
プラーク(歯垢)や軽度の着色汚れによる黄ばみは、毎日の丁寧な歯磨きで除去することができます。磨き残しが多い部分を重点的に、お子さまの歯磨きをサポートしてあげましょう。
ご相談はサイトウ歯科おとなこども院まで

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